▶ 2009.04 悲しみ

最近、『悼む人』という本を読みました。

この本は『死』をテーマにした作品で、

悼む人と呼ばれる主人公が、他人の死を悼んでまわるというもので、

彼の行動に影響を受ける人々の姿を描いています。

『悼む人』は、人の死を悼むとき、必ずあることを周囲の人から聞こうとします。

それは、亡くなった人が誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたのか、ということ。

今の自分に足りないもの。

それは『悼む人』のような死の捕らえ方だと思うんです。

父は誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたのか。

このことを考えると涙がとまりませんでした。

葬式にはたくさんの人が訪れ、涙を流してくれました。

遠いところからお線香をあげに来てくれた方もいました。

私が小さいころ、いろんなところに連れて行ってくれました。

そして、なにより、家族のために頑張ってくれていました。

 

ただ、それでも父は自死を選んだという、

見捨てられたような悲しみはまだなくなりそうにありません。

それでも、父を認めるための道を一歩進めた気がします。