最近、『悼む人』という本を読みました。
この本は『死』をテーマにした作品で、
悼む人と呼ばれる主人公が、他人の死を悼んでまわるというもので、
彼の行動に影響を受ける人々の姿を描いています。
『悼む人』は、人の死を悼むとき、必ずあることを周囲の人から聞こうとします。
それは、亡くなった人が誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたのか、ということ。
今の自分に足りないもの。
それは『悼む人』のような死の捕らえ方だと思うんです。
父は誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたのか。
このことを考えると涙がとまりませんでした。
葬式にはたくさんの人が訪れ、涙を流してくれました。
遠いところからお線香をあげに来てくれた方もいました。
私が小さいころ、いろんなところに連れて行ってくれました。
そして、なにより、家族のために頑張ってくれていました。
ただ、それでも父は自死を選んだという、
見捨てられたような悲しみはまだなくなりそうにありません。
それでも、父を認めるための道を一歩進めた気がします。